1.ロックミシン購入のきっかけ
私は普段JUKIの職業用ミシンを使っているのですが、このミシンにはジグザグミシンがついていないため、布の端処理をすることができません。
何度か服作りをしていくうちに、ロックミシンが欲しいなと思うことが多くなりました。
それでも長らく迷ってはいたのですが、幼稚園グッズを作っている時にキルト生地の端処理が必要で、これを機にロックミシンを購入することを決めました。
2.購入時の不安
なんとなく、ロックミシンは難しそうなイメージがありました。特に糸をかけるのが大変そうで、手芸の上級者が使うものだと思っていました。
ロックミシンを選ぶ中で、色々なレビューを見ましたが糸のかけ方が難しいと書かれていることが多く、不安に思っていました。
今回はロックミシンの購入を迷っている方に向けて、ミシンの選び方から糸のかけ方まで初心者目線でお伝えできればと思います。
3.購入したロックミシン
ロックミシンは種類がとても多いので、探す前に条件を3つに絞りました。
①2本針4本糸差動送り付きのもの
1本針のものに比べて価格は高いですが、強度のある縫い目になるためいろいろな生地に対応できます。また、ニット生地や伸びやすい生地を縫う場合は差動送りが付いているものが良いそうです。
私はガーゼ生地を縫いたかったので2本針で差動送り付きのものを購入することにしました。
②自動糸通しは不要
自動糸通し機能が付いているものは便利ですが、調べたところ一気に価格が上がる為、糸通しは自分で頑張ってみることにしました。
③できればJUKIのもの
これは重要な条件ではありませんが、普段使っているミシンがJUKIなので同じメーカーで揃えたいという思いがありました。
以上の3つの条件で探し、JUKIのMO-50eNを購入することに決めました。
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外形寸法 292×290×295mm 6.7kg
2本針4本糸、差動送り付き
カバーステッチはできませんが4本糸合わせ縁かがり縫い、3本糸縁かがり縫い、全巻き縫い(巻きロック)、細ロック縫い、フリル縫い、飾り縫いができます。
糸かけは手動ですが、下ルーパーへの糸かけはレバーで簡単に行えます。
機能は多いですが、ロックミシンの中でもお手頃な価格です。
付属品は横のアクセサリーボックスに収納できます。
ミシンカバーが付いているので、出しっぱなしにしていても埃が被るのを防ぐことができます。私はまだロックミシンを置くスペースがないので、使う時だけ箱から出すようにしています。
自動糸通し機能は付いていませんが、糸かけ案内は色分けされていて分かりやすく、下ルーパーへの糸かけもレバーで簡単に行えるため、糸通しの不安も解消されました。
取扱説明書の他に、サポートDVDも入っています。
取扱説明書の糸かけの工程は初心者には少し分かりにくいので映像で見ることがおすすめです。YouTubeでも見ることができて、手軽で分かりやすかったです。
4.糸のかけ方
ロックミシンの購入を迷っている方は糸かけへの不安が大きいかと思いますので、写真付きで糸かけの工程をご紹介したいと思います。
糸かけ前の準備
プラグはコンセントから抜いておく。
糸たて棒に糸コマを差し込む。
糸かけ棒を一番上まで伸ばす。
ルーパーカバーと布台を開ける。
はずみ車を手前に回し、針を一番上にあげる。
上メスの解除
取扱説明書の中に「上メスの解除」という工程があります。初心者の方は上メスと書かれていても何のことだか分からないと思います。
かくいう私も上メスがどこにあるのか、何のためにあるのか分からなかったので調べながらやってみました。
上メスとは針の横についているカッターのことです。上メスで布をカットしながら縫う事で布端のギリギリを綺麗にかがることができるのです。
糸かけ中は危ないので上メスを上にあげておきます。
上メスホルダーを右に押し、つまみを向こう側に止まるまで回すと上メスが上にあがります。
上ルーパー糸(青色)をかける
右から2番目の糸を糸掛け案内の後ろから前にかける。
糸調子皿にかけ、糸調子ダイヤルの溝に沿って奥までしっかり糸をかける。
青い丸の目印がある糸案内に順番にかける。
ここからは付属品のピンセットを使用して糸をかけていくのがおすすめです。
糸通し穴に通す。
下ルーパー糸(赤色)をかける
一番右の糸を糸掛け案内の後ろから前にかける。
糸調子皿から糸調子ダイヤルまでのかけ方は上ルーパー糸(青色)と同じです。
赤い丸の目印がある糸案内に順番にかける。
はずみ車を下ルーパーの先端が針板右端から5mm~10mm出るまで手前に回す。
下ルーパー糸穴にピンセットで糸を通し、しっかりと糸を引く。
指で自動糸通しを一番上まで押し上げると糸が下ルーパーを自動的に通ります。
初心者にはこの工程が一番難しいと感じました。
ここで下ルーパーにしっかり糸がかかっていないことが原因で、上手く縫えないことが多かったです。
下ルーパーは奥の方にあるので見えにくいですが、糸がかかっているかここでしっかり確認をしておくと良いと思います。
右針糸(緑色)をかける
右から3番目の糸を糸かけ案内の後ろから前にかける。
糸調子皿から糸調子ダイヤルまでのかけ方はこれまでの糸と同じです。
糸案内に順番にかけます。
針棒糸案内に糸をかける。
右針穴に糸を通す。
糸を押えの下に入れる(押えはミシン裏のレバーで上下できる)。
※上メスの解除をし忘れていたので以降の写真は上メスが下がっています。
左針糸(黄色)をかける
一番左の糸を糸かけ案内の後ろから前にかける。
糸調子皿から糸調子ダイヤルまでのかけ方はこれまでの糸と同じです。
糸案内に順番にかけます。
針棒糸案内に糸をかける。
右針穴に糸を通す。
糸を押えの下に入れる(押えはミシン裏のレバーで上下できる)。
以上で糸通しは終了です。
ルーパーカバーと布台を閉め、上メスを下げます。
5.試し縫い
糸通しが終わったので、試し縫いをしてみます。
2枚合わせの布地を使用します。
プラグをコンセントに差し、電源を入れます。
全ての糸調子ダイヤルのメモリを「3」に合わせます。
布屑受け箱を布台カバーの左方向に押すように取り付ける。
上メスでカットした布がこの箱に入るので、散らかりません。
押えの前側を指先で上げながら、布地を上メスのところまで入れます。
ペダルを踏んで縫い始めます。
縫い終わってもペダルを踏み続け、8cm程度の空環を出します。
空環を切って布を取り出します。
布地の端で上下のルーパー糸が上手く絡み合い、針糸がまっすぐに縫えていると伸縮性と耐久性のある縫い目になるそうです。
ここで上手く縫えない場合は下ルーパー糸(赤色)が上手く掛かっていないことが多かったので、確認してみて下さい。
縫い目を確認して、糸調子を調節する。
例えば下の写真の様に左針糸(黄色)が裏布でループ状になっている場合は、縫い目が真っすぐになるまで黄色の糸調子ダイヤルを強めます。
布地を変える度に試し縫いをして、糸調子を調節する必要がありますが、取扱説明書に分かりやすい図が載っているので、こちらを見ながら進めていけば大丈夫だと思います。
まとめ
実際の服作りの作業過程での使用感は次回の記事でご紹介します。
ロックミシンはとても難しそうな機械だというイメージでしたが、実際に使ってみると意外とシンプルなものでした。ミシンとはまた違った感覚で、縫うのも楽しいです。
今のところ特に不満点もなく、制作の幅も広がるので、本当に購入して良かったと思います。
一番の懸念材料だった糸通しも、工程に沿って順番にやっていけば初心者でも問題なくできました。
普通のミシンでも初めて使う時は説明書とにらめっこしながらセッティングしていましたが、今では何も見ずに進めることが出来ます。
そのような感じでロックミシンの設定も慣れれば簡単なものだと思えるのではないかなと思います。
また、フットコントローラーは結構踏み込みしないと動かないというレビューもありましたが、私はあまりそうは感じませんでした。
他のロックミシンを使ったことのある方には物足りないのかもしれませんが、私のような初心者にはゆっくり縫い始められるので丁度良かったです。
こちらのロックミシンはギャザーや巻きロックなども縫えるので、また詳しくご紹介できればと思います。
こちらの記事がロックミシンを探している方に少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。